天つ風あまつかぜ 雲のかよひ路くものかよひぢ 吹きとぢよふきとぢよをとめの姿をとめのすがた しばしとどめむしばしとどめむ僧正遍昭そうじょうへんじょう

「天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ」の情景画

読みを聞いてみましょう。上の句のあとに、下の句が続きます。

決まり字

あまつ

決まり字は、その一首だと聞き分けられるようになる、上の句のはじめの何文字かのことです。この歌なら、読み手が「あまつ」と読んだところで、取る札が決まります。

競技かるたでは、同じ音ではじまる札が何枚あるかで分類します。この歌は「十六枚札」〈あ〉の仲間です。

現代語訳

空をわたる風よ、天女が帰ってゆくという雲の通り路を、どうか吹き閉ざしておくれ。舞い終えた乙女たちの姿を、もうしばらく、ここにとどめておきたいのだから。目の前の舞姫が、天から舞い降りた天女に見えるほどの、まばゆさ。過ぎてゆく美しいひとときを、引きとめたいと願う一首です。

歌人の物語

のちに出家して僧正となった、六歌仙のひとりです。この歌は、まだ宮仕えをしていた若きころ、宮中の舞を目にして詠んだと伝わります。

この歌とは、道のりの「十六枚札」のあたりで出会います。

うたふだをはじめる

一首ずつ歌と出会いながら、決まり字を手がかりに札を取る力を、短いお稽古で育てていきます。

同じ「十六枚札」の歌