秋の田のあきのたの かりほの庵のかりほのいほの 苫をあらみとまをあらみ我が衣手はわがころもでは 露にぬれつつつゆにぬれつつ天智天皇てんじてんのう

「秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ」の情景画

読みを聞いてみましょう。上の句のあとに、下の句が続きます。

決まり字

あきの

決まり字は、その一首だと聞き分けられるようになる、上の句のはじめの何文字かのことです。この歌なら、読み手が「あきの」と読んだところで、取る札が決まります。

競技かるたでは、同じ音ではじまる札が何枚あるかで分類します。この歌は「十六枚札」〈あ〉の仲間です。

現代語訳

実りの秋、刈り入れのころ。田のほとりに建てた仮小屋は、屋根をふく苫の編み目が粗くて、夜露がぽたり、ぽたりと漏れてきます。実った田を見守るわたしの袖は、そのしずくに、しっとりとぬれてゆくばかり。収穫を待つ秋の夜の、しずかな肌寒さをうたった一首です。

歌人の物語

百人一首の巻頭に置かれた、いにしえの天皇の歌です。田を守る人の夜の労苦に心を寄せた歌として、長く親しまれてきたと伝わります。

この歌とは、道のりの「十六枚札」のあたりで出会います。

うたふだをはじめる

一首ずつ歌と出会いながら、決まり字を手がかりに札を取る力を、短いお稽古で育てていきます。

同じ「十六枚札」の歌