滝の音はたきのおとは たえて久しくたえてひさしく なりぬれどなりぬれど名こそ流れてなこそながれて なほ聞こえけれなほきこえけれ大納言公任だいなごんきんとう

「滝の音は たえて久しく なりぬれど」の情景画

読みを聞いてみましょう。上の句のあとに、下の句が続きます。

決まり字

たき

決まり字は、その一首だと聞き分けられるようになる、上の句のはじめの何文字かのことです。この歌なら、読み手が「たき」と読んだところで、取る札が決まります。

競技かるたでは、同じ音ではじまる札が何枚あるかで分類します。この歌は「六枚札」〈たこ〉の仲間です。

現代語訳

古い離宮を訪ねると、滝の水音は、絶えてからもう久しくなっていました。けれど、その滝の名声だけは今も流れつづけて、なお人々の耳に聞こえてきます。水は涸れても、名は残る——時のうつろいのなかに、消えないものを聴きとった一首です。

歌人の物語

詩・歌・管弦のすべてにすぐれ、「三船の才」とうたわれたと伝わる平安中期の公卿です。絶えた音のむこうに名の流れを聴きとる耳に、その豊かな教養がにじみます。

この歌とは、道のりの「六枚札」のあたりで出会います。

うたふだをはじめる

一首ずつ歌と出会いながら、決まり字を手がかりに札を取る力を、短いお稽古で育てていきます。

同じ「六枚札」の歌